新しくきものや帯を下ろす時、両手で衣装を捧げ持って頭を下げ
「汚さん様に着られますように…」と祈ってから着ていたのは
花街の習慣だったかも知れません
それと同じ様に小さい頃、母や祖母に良く言われていた事が
あります
お正月せっかく着せて貰った晴れ着の袖をどこかに引っ掛けて
脇がほころびたり、裾がほつれていたり…
そんな時は必ず「脱いだって言いよし!」と言われました
訳も解らず「脱いだ」と言ったら母や祖母は針を取り出し縫ってくれました
着物を着たまま縫う事は針が刺さって危ないから「脱いだ」と言って
脱いだ事にしたのか?縁起が悪いのか?
今でも良くわからないままなのですが「脱いだ」と言いなさいと
言われた事は覚えていて、今では子供にも同じ事を言っています
京都にはこんなおまじないの様な着物ことばが残っています