今は舞妓さんは大人気ですけど私が舞妓だった頃は舞妓はあくまで芸妓さんの卵で
お座敷では一人前として扱ってもらえません
それに人数も沢山いて、人より目立つ事、印象に残る事をしなければ声がかかりませんし
毎日お茶を挽く事になります。
お茶を挽くとはどこへも行く所がなくて、その日一日お座敷へ呼ばれなかった事を
そう言ってました
お茶を挽いてしまったらお化粧部屋の掃除や靴下洗いをしなければならず、みんな何とか
お茶を挽かない様に努力していたのです
それはもうみんな色々考えていました。
ものまねする人や沢山食べる人(今で言う大食いタレントみたいな)
逆立ちするってのもありました。
私が考え出したのは人間ジュークボックスです。
昔、お金を入れて好きな曲を選んでボタンを押す機械あったでしょう? あれです。
お客さんや姉さんが曲の題名を言ったら何でも一番唄います…と。
毎日毎日おけい古の合間に歌の練習しましたわー。
歌謡曲、軍歌、童謡、民謡 それでも知らない曲もありますし、そんな時は
「ごめんなさい、今日はもう売り切れです」と言ってました。
お陰さまでお客さんやお姉さんから「ジュークボックスの妓呼んで」と声を掛けて
貰う事が増えて来て段々お茶を挽く事は無くなって行きました
何かの時にジュークボックスやっていた時に歌っていた懐かしい曲を聞きました
「あ~この歌、題名何だったかなぁ」
思い出せませんでしたけれど歌詞は覚えています
今では歌う人も少なくなっただろうと思われる、その歌で、人間ジュークボックス
やっていた頃の情景が、鮮やかに思い出された一瞬でした
ありがとうございます 又 近いうちに