川端や円山公園の桜が咲いて京都の街が華やかになると春のおどりの季節がやって来ます。
花街の真ん中の学校へ通っていたのでこの時期になると先生が出席を取られる時
「〇〇〜」「〇〇ちゃんは都をどり」
「そうか、では〇〇」「〇〇ちゃんは京おどりです〜」「あ〜そうだった」
仕込みさんは小学生、中学生でもお茶席のお控えさんで出るので4月はこんな感じでしたねぇ
芸妓さんになると場面によって役が変わったり衣装やお化粧が変わったりするので顔師さんに顔造って貰ったり、衣装を脱いだり着たり忙しいです。
舞妓は普段の衣装で一場面と後は総踊りに出るだけなんですけど客席のお馴染みさんにご挨拶に行ったり楽屋で姉さんの御用をしたりして、これも休む暇なくたくさん用事がありました。
最後の公演が終わった後は楽屋口から次のお座敷への仕度に全力疾走で出て行かれる姉さんやお茶屋さんのお母さんとコーヒーを飲みに行かれるお客さん、楽屋から屋形へ姉さんのお道具を運ぶ仕込みさん…いつにも増してたくさんの人々で賑やかな歌舞練場の周りです。
夜はいつもは行った事の無いお茶屋さんから声がかかり、お座敷へ行かせて頂くとお母さんから「舞台であんたを見られて声がかかりましたよ。
嬉しいね、宜しく頼みますよ」と言うて頂き身の引き締まる一瞬だったと…からもおどりの季節の懐かしい思い出です。
では、又、ありがとうございます。