私はおどり中の4月が見習いでした。
お店出しの日迄の1ヶ月間文字通り見習いをさせて貰うのです。
見習いのお茶屋さんが決められ主にそこに来られるお客さんのお座敷で色々教えて頂くのですけれど見習いも終盤に差し掛かり慣れて来ると他のお茶屋さんヘ行く事もあります。
見習いさんの間の帯は半分の長さの半だらり、私達は半だらって言ってました
半だらで帯が軽いうちにこっぽりを履いて歩くのに慣れる事や綺麗に裾さばきが出来るようになる事、トイレの場所、お酒を貰いに行く所、大きなお茶屋さんはお部屋がたくさんあるのでお部屋を覚えるだけでも大変、それで前の晩お座敷で会った姉さんには次の日の朝ご挨拶に行きます
「姉さん、やぜんはありがとうございます
又、お願いします」
やぜんって何? 前の晩の事?
覚える事いっぱいで、やる事いっぱいで大変でしたが1ヶ月したら舞妓さんになれると思うと胸がいっぱいになりました。
それでも時にはもう駄目だと思うくらい
へこんでしまってシクシク泣いていると
大先輩の姉さんが「どこのおちょぼさんなの? さぁそんな所で泣いていないで顔を
見せてごらん 何なの?お化粧が剥げてしまって こっちへ来なさい 直してあげましょう」と優しく顔を直して下さった事も…
引いて下さる姉さんは厳しくてこんな時はビシッと叱られますけど大先輩の姉さんは本当に優しかったです。
昔は見習いさんの事をおちょぼさんとも言っておられました。
では、又、ありがとうございます。